中医臨床 通巻139号(Vol.35 No.4)
商品コードc139
特集/百病の長「風」とその治療
2014年12月20日発行
2014年12月20日発行
数量
【特集】百病の長「風」とその治療
中医学や漢方医学では,心身症を扱う機会が非常に多い。
「おもうに六気の中で,ただ風のみが五気すべてを従えることができる。もし寒を伴えば風寒といい,暑を伴えば暑風といい,湿を伴えば風湿といい,燥を伴えば風燥といい,火を伴えば風火という。おもうに風はこれら五気を奮い立て人を傷つけることができるため,百病の長といわれるのである。こういう理由から,病気の原因は風によって起こるものが多い」
清代の葉天士が『臨床指南医案』の中でこう述べるように,「風」は数ある致病因子の中でも筆頭に取り上げるべき重要な病因である。特に風証は風と結びついた邪の性質によって性質は異なるため,たんに祛風薬を使えばよいというわけにはいかない。
今号では,本誌の「中医診察ナビゲーション」で連載中の山東中医薬大学の丁元慶教授に,風の概念とその治療について簡単に解説していただき,張安玲教授には『黄帝内経』における風について概説していただいた。古代人の素朴な観察から生まれた風の概念は今なお中医基礎理論のなかで重要な役割を担っているのがわかる。風証の治療では上海と安徽の2人の老中医の経験を中国の文献から抜粋して紹介し,さらに日本の臨床経験を滝沢健司先生と緑川沢樹先生に報告していただいた。病因別特集の第一弾!
中医学や漢方医学では,心身症を扱う機会が非常に多い。
「おもうに六気の中で,ただ風のみが五気すべてを従えることができる。もし寒を伴えば風寒といい,暑を伴えば暑風といい,湿を伴えば風湿といい,燥を伴えば風燥といい,火を伴えば風火という。おもうに風はこれら五気を奮い立て人を傷つけることができるため,百病の長といわれるのである。こういう理由から,病気の原因は風によって起こるものが多い」
清代の葉天士が『臨床指南医案』の中でこう述べるように,「風」は数ある致病因子の中でも筆頭に取り上げるべき重要な病因である。特に風証は風と結びついた邪の性質によって性質は異なるため,たんに祛風薬を使えばよいというわけにはいかない。
今号では,本誌の「中医診察ナビゲーション」で連載中の山東中医薬大学の丁元慶教授に,風の概念とその治療について簡単に解説していただき,張安玲教授には『黄帝内経』における風について概説していただいた。古代人の素朴な観察から生まれた風の概念は今なお中医基礎理論のなかで重要な役割を担っているのがわかる。風証の治療では上海と安徽の2人の老中医の経験を中国の文献から抜粋して紹介し,さらに日本の臨床経験を滝沢健司先生と緑川沢樹先生に報告していただいた。病因別特集の第一弾!
◆本号の主な内容
【特集/百病の長「風」とその治療】
■[巻頭インタビュー]中国医学でがん治療に挑む(小髙修司)
■[インタビュー]FDA臨床試験進む 肝線維化を抑制する中成薬「扶正化瘀片」(劉平)
■[杏林春秋]伏火外達を経て治癒した骨髄異形成の1例(木田正博)
■[興味深い臨床報告]大破格救心湯による鳥インフルエンザの治療(馮小燕)
■[特別寄稿]薬性と穴性(後篇)(何金森)