中医臨床 通巻165号(Vol.42 No.2)
商品コードISBN 978-4-910568-00-3
特集/安神法~精神を安定させる治療~
2021年 6月20日発行
2021年 6月20日発行
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現代病の背後に心神の不安あり
【特集】安神法~精神を安定させる治療~
安神法とは心神不安・心悸不眠を治療する方法である。中医八法には含まれない治法であるが,現代のライフスタイルの変化・社会の複雑化に伴い,精神疾患・症状は増加しており,現代の臨床において安神法を用いる局面はけっして少なくない。
心は神を蔵し,肝は魂を蔵し,腎は志を蔵することから,心神不安に伴う証候は心・肝・腎三臓の陰陽バランスの乱れ,あるいは相互の機能失調とかかわるものが主体となる。そのため,重鎮安神・補養安神・交通心腎などが基本となるが,心神不安を引き起こす病機はさまざまであるため,臨床においては各病機に対応させて潜陽・養血・滋陰・疏肝・清熱・化痰・和胃・化瘀などを適宜組み合わせてそれを解消し,陰陽の相交を促進し,心に宿る神を穏やかに安定させることが行われる。
本特集では安神法の概説をはじめ,“胃が不和になれば安眠できない” “諸痛痒瘡,皆属于心”といった古説にもとづく不眠症治療や皮膚病治療を考察するほか,寧心安神法による婦人病治療,安神法を用いた鍼灸の症例などを取り上げる。
【特集】安神法~精神を安定させる治療~
安神法とは心神不安・心悸不眠を治療する方法である。中医八法には含まれない治法であるが,現代のライフスタイルの変化・社会の複雑化に伴い,精神疾患・症状は増加しており,現代の臨床において安神法を用いる局面はけっして少なくない。
心は神を蔵し,肝は魂を蔵し,腎は志を蔵することから,心神不安に伴う証候は心・肝・腎三臓の陰陽バランスの乱れ,あるいは相互の機能失調とかかわるものが主体となる。そのため,重鎮安神・補養安神・交通心腎などが基本となるが,心神不安を引き起こす病機はさまざまであるため,臨床においては各病機に対応させて潜陽・養血・滋陰・疏肝・清熱・化痰・和胃・化瘀などを適宜組み合わせてそれを解消し,陰陽の相交を促進し,心に宿る神を穏やかに安定させることが行われる。
本特集では安神法の概説をはじめ,“胃が不和になれば安眠できない” “諸痛痒瘡,皆属于心”といった古説にもとづく不眠症治療や皮膚病治療を考察するほか,寧心安神法による婦人病治療,安神法を用いた鍼灸の症例などを取り上げる。
◆本号の主な内容
【特集/安神法~精神を安定させる治療~】
■[杏林春秋]陰火学説を素霊難および脈診の観点から考察する(足立繁久)
■[新・方剤学]“散”の治法:和解剤(加島雅之)
■[インタビュー]エイジングケアの基本は補腎+活血(東海林正弘)
■[TCMA研修]治療戦略の段階で最善をつくしておこう(鎌田剛)
■[インタビュー]日本の経絡経穴教育の現状と課題(髙橋大希)
■[近況雑感]江戸時代鍼灸文献の経穴の扱い(浅川要)