中医臨床　通巻94号（Vol.24 No.3）

第94号（第24巻第３号）


* 座談会／上海で中医学を学んで（緑川沢樹・久積賢治・藤田康介）
* SARSトピックス（続報）／SARSと闘う中医学／周仲瑛教授のSARS弁証論治（郭立中)
【特集／薏苡仁の臨床応用】
　* 特集ダイジェスト
　* 薏苡仁の薬効と用法（劉持年）
　* 薏苡仁の臨床応用について（謝兆豊・謝建華）
　* 難病治療における薏苡仁の大量使用（張洪林）
　* 温病における薏苡仁の応用（戴昭宇）
　* 中医薬の新しい使い方を検証する（康莱特カンライト）（藤田康介）
　* ハトムギ――健康食品としての薏苡仁（戴昭宇）
　* 運気論から生命倫理まで――石田秀実氏の緒論文から考える――（小高修司）
* 系統中医学講座ダイジェスト＜第７回＞臓腑概念と生理機能（２）――肝・肺（仙頭正四郎）
* 医学生・研修医・プライマリケア医のための中医学講座＜第４回＞中医学的診察法（その２）舌診について（入江祥史）
* 深く印象に残っている症例／
　・慢性病における弁証には，多次元的要素が絡み合っていることを示唆する症例（田中康雄）
　・竜胆瀉肝湯・六味丸エキス剤の合方による変形膝関節症の治療（檀上健作）
* 私の診察日記＜３＞（風間洋一）
* 症例からみた効果／附子によりすみやかに疼痛の消失をみた症例（内田隆一・江部洋一郎）
* 精神科領域の中医学＜３＞虚証（向井誠）
* 症例研究／思春期・成人期アトピー性皮膚炎の弁証について（王暁峰）
* インタビュー／鄭金生先生が語る「中薬学の歴史と発展」
* 東洋医学のためのパソコン入門講座＜２＞ワード・一太郎で簡単に中国語が入力できる（小林健二）
* 針灸質問コーナー／
　・46／弾発指の治療について（西田皓一）
　・47／膝関節の水腫の弁証法について（邵輝）
　・コメント／幻肢痛について（浅川要）
　・48／尺沢の位置について（朱江）
　・49／中国針の太さ（何金森）
* 弁証論治トレーニング＜39＞便秘
　・回答へのコメント（高橋楊子・呉澤森）
* 体験リポート／岐阜大学医学部附属病院での中医針灸臨床を見学して（伊藤和真）
* 針灸／針灸の陽萎病治療における臨床使用穴とその規律分析（王大生）
* 針灸／五輸穴（五行穴）子母補瀉法の臨床応用（陳玉其）
* 深く印象に残っている針灸症例／左手指第四指粉砕・開放骨折に伴う疼痛に対する針灸治療の１症例（伊藤和真）
* 興味深い論文／臓腑と蔵象は違うのか（胡剣北）
* 中医臨床小説／老中医の診察室＜第31回＞めまい・頑固な蕁麻疹（柯雪帆）

*―*―*　ここに注目！　*―*―*
■座談会「上海で中医学を学んで」
　この夏，上海中医薬大学の留学から戻ってこられたばかりの先生方に，留学先での学習内容・学習方法，そして中国の医療現場における臨床状況などについてお伺いした。10カ月という短期間の留学にもかかわらず，系統的に中医学を学び，さらに臨床をみることによって，これほどまで効率的に中医学を学ぶことができる。中医学習得にとって大切なことは何なのか，留学の経験を交えてお話いただいた。

■［連載再開］中医臨床小説「老中医の診察室
　1999年に当社で刊行した中医臨床小説『老中医の診察室』は，中医学の現場の状況，老中医の臨床風景を現出したユニークな小説として，好評を博した。同書は，著者・柯雪帆先生が若い頃について学んだ老中医・金寿山先生のカルテをもとに小説化した短編小説集である。柯雪帆先生は長くがんを患われ闘病生活をされていたが，このほど，読者からの要望に応えて，ふたたび同書の続編の執筆にとりかかられた。本号がその第1回である。