中医臨床 通巻140号(Vol.36 No.1)
商品コードc140
特集/難病治療のカギ「痰」とその治療
2015年 3月20日発行
2015年 3月20日発行
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【特集】難病治療のカギ「痰」とその治療
痰によって引き起こされる疾患は多種多様で,しかも複雑なものが多いことから,「百病の多くは痰によりて祟と作す」「怪病(原因のよくわからない病気)に痰多し」といわれる。とりわけ無形の痰は,複雑な疾患を広範に引き起こすことから,「変幻百端なり」と表現される。
痰は,主に治節を主る肺,運化を主る脾,開闔を主って腎陰・腎陽を有する腎の機能が失調すると形成される。その他に肝気鬱結によって生じた火が津液を煮詰めて痰を形成するケースがあるほか,形成された痰は気の動きとともに移動するため,肺・胃・心竅・肝・腎・経絡などに達して各部位に応じた証に変化する。そのため単に去痰薬を使えばよいというわけにはいかない。病機を把握して証候を弁別することが大切である。
今号では,本誌の「中医診察ナビゲーション」で連載中の山東中医薬大学の丁元慶教授に,痰の概念とその治療についてコンパクトに概説していただいた。
痰証の治療では周仲瑛・朱良春という2人の国医大師の経験を,また高齢者は痰証を生じやすいため老年疾患に対する治療経験を中国の文献からそれぞれ紹介した。特に2人の国医大師からは単純な化痰法ではない「痰を見ても痰を治さず」の方法が示され弁証論治の妙味をあじわえる。また日本からは「怪病有痰」の治療経験を田中耕一郎先生に,漢方エキス製剤を用いた小児の痰証治療経験を渡邊善一郎先生にそれぞれ報告していただいた。病因別特集の第2弾!
痰によって引き起こされる疾患は多種多様で,しかも複雑なものが多いことから,「百病の多くは痰によりて祟と作す」「怪病(原因のよくわからない病気)に痰多し」といわれる。とりわけ無形の痰は,複雑な疾患を広範に引き起こすことから,「変幻百端なり」と表現される。
痰は,主に治節を主る肺,運化を主る脾,開闔を主って腎陰・腎陽を有する腎の機能が失調すると形成される。その他に肝気鬱結によって生じた火が津液を煮詰めて痰を形成するケースがあるほか,形成された痰は気の動きとともに移動するため,肺・胃・心竅・肝・腎・経絡などに達して各部位に応じた証に変化する。そのため単に去痰薬を使えばよいというわけにはいかない。病機を把握して証候を弁別することが大切である。
今号では,本誌の「中医診察ナビゲーション」で連載中の山東中医薬大学の丁元慶教授に,痰の概念とその治療についてコンパクトに概説していただいた。
痰証の治療では周仲瑛・朱良春という2人の国医大師の経験を,また高齢者は痰証を生じやすいため老年疾患に対する治療経験を中国の文献からそれぞれ紹介した。特に2人の国医大師からは単純な化痰法ではない「痰を見ても痰を治さず」の方法が示され弁証論治の妙味をあじわえる。また日本からは「怪病有痰」の治療経験を田中耕一郎先生に,漢方エキス製剤を用いた小児の痰証治療経験を渡邊善一郎先生にそれぞれ報告していただいた。病因別特集の第2弾!
◆本号の主な内容
【特集/難病治療のカギ「痰」とその治療】
■[巻頭インタビュー]中医学と日本漢方に違いはない(三浦於菟)
■[インタビュー]中西医結合で膜性腎症治療に光(陳以平)
■[中医ニュース]西アフリカ・シエラレオネで中医がエボラ出血熱を治療(杜寧)
■[興味深い論文]五運六気から六経弁証を読み解く(顧植山)
■[興味深い論文]教科書の「配穴方法」に異議あり(劉陽陽)