中医臨床 通巻141号(Vol.36 No.2)
商品コードc141
特集/難病治療のもう一つのカギ「瘀血」とその治療
2015年 6月20日発行
2015年 6月20日発行
数量
【特集】難病治療のもう一つのカギ「瘀血」とその治療
瘀血の概念は『黄帝内経』が嚆矢となり,『傷寒・金匱』が基礎を築き,歴代医家によって少しずつ掘り下げられてきたが,その概念が整理され,盛んに研究されるようになるのは清代になってからである。その代表は王清任(『医林改錯』)と唐容川(『血証論』)である。
瘀血は体内の血液が瘀滞し,流れないものをいい,経脈外に溢れて体内に溜まったり,血がスムーズにめぐらず経脈内でふさがったり,臓腑組織内に溜まったりした血液を指す。瘀血はおもに血のめぐりの不良によって発生するが,気虚・気滞・血寒・血熱・痰濁・外傷などはすべて血のめぐりを阻害する原因となる。また瘀血は病理産物であるとともに,新たな血瘀を生む発病因子にもなるため,複雑かつ多方面に影響が及び,多くの難病を引き起こす。そのため中医学では「久病は絡に入る」「久病に瘀多し」「頑疾に瘀血多し」「瘀は百病を生む」といわれる。
今号では,本誌の「中医診察ナビゲーション」で連載中の山東中医薬大学の丁元慶教授に,瘀血の概念とその治療についてコンパクトに概説していただいた。また瘀血証の難治性疾患治療では周仲瑛・顔徳馨という2人の国医大師の経験を中国の文献から紹介した。また日本からは玉嶋貞宏先生と吉澤和希先生にそれぞれ瘀血の絡んだ疾患の症例を報告していただいた。病因別特集の第3弾!
瘀血の概念は『黄帝内経』が嚆矢となり,『傷寒・金匱』が基礎を築き,歴代医家によって少しずつ掘り下げられてきたが,その概念が整理され,盛んに研究されるようになるのは清代になってからである。その代表は王清任(『医林改錯』)と唐容川(『血証論』)である。
瘀血は体内の血液が瘀滞し,流れないものをいい,経脈外に溢れて体内に溜まったり,血がスムーズにめぐらず経脈内でふさがったり,臓腑組織内に溜まったりした血液を指す。瘀血はおもに血のめぐりの不良によって発生するが,気虚・気滞・血寒・血熱・痰濁・外傷などはすべて血のめぐりを阻害する原因となる。また瘀血は病理産物であるとともに,新たな血瘀を生む発病因子にもなるため,複雑かつ多方面に影響が及び,多くの難病を引き起こす。そのため中医学では「久病は絡に入る」「久病に瘀多し」「頑疾に瘀血多し」「瘀は百病を生む」といわれる。
今号では,本誌の「中医診察ナビゲーション」で連載中の山東中医薬大学の丁元慶教授に,瘀血の概念とその治療についてコンパクトに概説していただいた。また瘀血証の難治性疾患治療では周仲瑛・顔徳馨という2人の国医大師の経験を中国の文献から紹介した。また日本からは玉嶋貞宏先生と吉澤和希先生にそれぞれ瘀血の絡んだ疾患の症例を報告していただいた。病因別特集の第3弾!
◆本号の主な内容
【特集/難病治療のもう一つのカギ「瘀血」とその治療】
■[巻頭インタビュー]宋以前傷寒論の世界に魅せられて(岡田研吉)
■[インタビュー]経方には方証相応があり,確実な効果がある(黄煌)
■[新連載]乾くんの中医学手帳「教えて! 中薬学」(石井尊子)
■[座談会]弁証論治の鍼の臨床力〈前篇〉(浅川要ほか)
■[インタビュー]穴性論と鍼灸の弁証論治(徐斌)