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中医臨床 通巻148号(Vol.38 No.1)

中医臨床 通巻148号(Vol.38 No.1)

商品コードc148

特集/薬局における漢方・生薬製剤の中医学的運用(前篇)
2017年 3月20日発行

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薬局漢方の魅力
【特集】薬局における漢方・生薬製剤の中医学的運用(前篇)
わが国は社会の超高齢化に伴い,生活習慣病を始めとした慢性疾患が中心となる疾病構造にシフトしてきている。これを受け,近年はセルフメディケーションの考え方が叫ばれるようになってきた。漢方薬はそんなセルフメディケーションを支える最も有力なツールの1つであろう。また,漢方相談を行う薬局は,健康寿命の延伸や予防に関心をもつ国民のニーズに応えることができ,セルフメディケーションを成立させるうえで重要な役割を担うことが期待される。
漢方薬局で購入できる漢方薬には,煎じ薬と製剤化されたものがあるが,本特集では製剤について取り上げる。OTCとして流通するものには,医薬品分類上,大きく漢方製剤と生薬製剤(その他,一部瀉下薬等に含まれるものもある)がある。漢方製剤とは漢方における伝統的な煎剤・丸薬・散剤などの処方のなかで,一般用漢方処方として承認されている294処方に含まれるものを製剤化したものである。一方の生薬製剤は,漢方医学の考えによらず,生薬単味あるいは複数生薬を配合して製剤化したものである。薬局では漢方製剤以外に294処方に含まれない漢方処方や中医学処方を製剤化したものも販売されており,これらは顆粒だけでなくエキス抽出したペースト状の膏剤や煉蜜などで練り上げた丸剤などさまざまな剤型のものがあり,一般に生薬製剤に分類されているものが多い。一般用漢方製剤には温胆湯・黄耆桂枝五物湯・黄連阿膠湯など医療用製剤にない処方が多くあり,さらに薬局では中医学処方を中心に動物生薬を含む製剤も取り扱われている。鹿茸・蛤蚧・冬虫夏草などを含む処方で,植物生薬だけでは足りない部分を補えるユニークな製剤があり,選択肢の幅は広い。
本特集では,「漢方薬局では漢方・生薬製剤はどのように活かされているのか」をテーマにした座談会(猪越英明先生・毛塚重行先生・今井太郎先生)を中心に構成した。総論として漢方薬局にはどのような役割が期待されているのか,という点にスポットを当て,さらに薬局での運用経験・お考えなどについてお話しいただき,各論では領域が多岐に及ぶため,今回は婦人病と皮膚病に絞って取り上げた。


 
◆本号の主な内容

【特集/薬局における漢方・生薬製剤の中医学的運用(前篇)】
■[巻頭インタビュー]伝統医学と西洋医学は両立に 謙虚さをもち,自己検証を(西本隆)
■[国医大師に聞く]視野は広く 内科を基礎にして他科に活かす(徐経世)
■[医療用漢方エキス剤の中医学的理解とその運用]四君子湯篇:脾胃病(渡邊善一郎)
■[漢方薬と鍼灸治療のコラボ]腎虚に対するコラボレーション(関口善太)
■[特別インタビュー]日本に中医学を普及・啓蒙したパイオニア(兵頭明)


 
  • ◆目次
    • 
      第148号(第38巻第1号)
      
      
      *巻頭インタビュー/ニッポンの中医臨床/西本隆先生に聞く/伝統医学と西洋医学は両立に 謙虚さをもち,自己検証を(編集部)
      
      ◆特集/薬局における漢方・生薬製剤の中医学的運用(前篇)
       ・リード(編集部)
       ・座談会/漢方薬局では漢方・生薬製剤はどのように活かされているのか/~婦人病・皮膚病を中心に~(猪越英明・毛塚重行・今井太郎)
       ・処方解説/婦人病と皮膚病で応用されるもの(深谷彰)
      
      *インタビュー/国医大師・徐経世教授に聞く/視野は広く 内科を基礎にして他科に活かす(編集部)
      *中医診察ナビゲーション◇難治性疾患の弁証論治/滋陰・清熱・安神による陰虚の不眠治療(丁元慶)
      *医療用漢方エキス剤の中医学的理解とその運用⑦/生薬構成が類似した処方同士を比較する〈5〉/―四君子湯篇:脾胃病①―(渡邊善一郎)
      *杏林春秋/三焦と心包の中西医結合的観点からの理解の試み(田中実)
      *近代の名老中医に学ぶ/劉奉五の「熱入血室」について(小野正弘)
      *漢方エキス製剤の中医学的運用/新薬による治療に抵抗性の慢性鼻炎の1例(尾形マリ)
      *漢方医学と中医学の架け橋/第6回/『古今方彙』講習会(その2)『古今方彙』を読む/―中風(第3回)(奈良和彦ほか)
      *内経入門/第18回/脾の働きってなに?〈2〉(斉藤宗則)
      *乾くんの中医学手帳「教えて!中薬学」/8.輔料で広がる加熱炮製の役割(石井尊子)
      *取材シリーズ/日本分校を訪ねる②/国立北京中医薬大学日本校(編集部)
      *漢方薬と鍼灸治療のコラボ/第3回/腎虚に対するコラボレーション(その2)(関口善太)
      *特別インタビュー/日本に中医学を普及・啓蒙したパイオニア 兵頭明先生に聞く〈前篇〉(編集部)
      *穴性論/いま,穴性を問う ~日本の臨床に適合した穴性構築に向けて~/第20穴/足三里[最終回](金子朝彦・岩渕浩司・田辺義典・髙士将典・李昇昊)
      *座談会/「穴性論」を振り返って(後篇)(金子朝彦・岩渕浩司・田辺義典・髙士将典・李昇昊)
      *鍼灸配穴法講座/第7回[最終回]/痰飲の配穴とその運用(髙士将典)
      *仮免鍼灸臨床からの脱皮/その29/「更年期障害=腎証」を検証する/追いかけ治療の落とし穴~更年期障害から腎精の衰退速度を考える~(内山実)
      *鍼灸百話/第32話/脾経の病証は何か?(篠原昭二)
      *近況雑感/経絡の流れを学ぼう(浅川要)
      *弁証論治トレーニング93/〈無月経6年〉(呉澤森)
       ・回答へのコメント(呉澤森・高橋楊子)
       ・次回出題(滝沢健司)
      *中国リポート/2017年7月1日から施行される『中華人民共和国中医薬法』(藤田康介)
      *未病を治す智恵30/中国の江南地方でよく食べられる肉類と養生(藤田康介)
      *書籍紹介/『寝ころんで読む傷寒論・温熱論』(入江祥史著)
      *書籍紹介/『漢方学舎 実践編1 臨床カンファレンス実体験』(大野修嗣編著)