中医臨床 通巻166号(Vol.42 No.3)
商品コードISBN 978-4-910643-32-8
特集/慢性疼痛の中医治療
2021年 9月20日発行
2021年 9月20日発行
数量
慢性の痛みに中医学を活用する
【特集】慢性疼痛の中医治療
慢性疼痛治療の最終目標の一つは痛みの軽減であるが,治療による副作用をできるだけ少なくしながら痛みの管理を行い,患者のQOLやADLを向上させることが重要になる。
わが国では慢性疼痛に対し漢方薬が使われることも少なくなく,鍼灸治療はすでに一般的に用いられており,現代医学とは異なる視点を持つ伝統医学は慢性疼痛治療のさまざまな局面で活用されている。
中国でも慢性疼痛に対して湯液・鍼灸治療が積極的に行われているが,基本となる考え方は,痛みに対する「不通則痛,通則不痛」「不栄則通,栄則不痛」に集約され,不痛則通では気滞に理気,瘀血に活血,痰飲に化痰,不栄則痛では気虚に補気,血虚に補血が用いられる。さらに中医学では「病が長引けば絡に入る」といわれることから絡病学の観点も見逃せない。
本特集では,中国の文献より絡病の観点からみた慢性疼痛の治療のほか,「神」に着目した鍼灸治療について紹介し,さらに日本の経験として,漢方・鍼灸・灸法の症例報告を掲載する。
【特集】慢性疼痛の中医治療
慢性疼痛治療の最終目標の一つは痛みの軽減であるが,治療による副作用をできるだけ少なくしながら痛みの管理を行い,患者のQOLやADLを向上させることが重要になる。
わが国では慢性疼痛に対し漢方薬が使われることも少なくなく,鍼灸治療はすでに一般的に用いられており,現代医学とは異なる視点を持つ伝統医学は慢性疼痛治療のさまざまな局面で活用されている。
中国でも慢性疼痛に対して湯液・鍼灸治療が積極的に行われているが,基本となる考え方は,痛みに対する「不通則痛,通則不痛」「不栄則通,栄則不痛」に集約され,不痛則通では気滞に理気,瘀血に活血,痰飲に化痰,不栄則痛では気虚に補気,血虚に補血が用いられる。さらに中医学では「病が長引けば絡に入る」といわれることから絡病学の観点も見逃せない。
本特集では,中国の文献より絡病の観点からみた慢性疼痛の治療のほか,「神」に着目した鍼灸治療について紹介し,さらに日本の経験として,漢方・鍼灸・灸法の症例報告を掲載する。
◆本号の主な内容
【特集/慢性疼痛の中医治療】
■[杏林春秋]脾の実体と機能に関する考察~脾則大網説~(篠原明徳)
■[新・方剤学]“散”の治法:和解剤(加島雅之)
■[インタビュー]かゆみの中医治療(佐田義尚)
■[TCMA研修]ユニット配穴の運用委(鎌田剛)
■[インタビュー]奇経八脈の臨床応用の魅力(高野耕造)
■[鍼灸百話]肺経の経脈病証構築の試み(篠原昭二)