中医臨床 通巻168号(Vol.43 No.1)
商品コードISBN 978-4-910643-71-7
特集/生薬・丹参と丹参製剤
2022年 3月20日発行
2022年 3月20日発行
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古くて新しいテーマ―活血化瘀―
【特集】生薬・丹参と丹参製剤
生薬・丹参はシソ科のタンジンの根を乾燥させたもので,中薬学においては活血化瘀薬に分類され,おもに①活血祛瘀,②涼血消癰,③養血安神の働きをもつとされる。活血化瘀は従来の伝統医学ではおもに婦人科疾患・打撲・癓瘕積聚などに用いられることが多く,冠動脈疾患の治療に用いられることはあまり多くなかった。それを中西医結合によって,伝統的な血瘀証と血栓形成・血小板活性化・血管狭窄・痙攣などの冠動脈疾患の主要な病理とを結びつけて開発され,心疾患の治療に新たな道を拓いたのが,現代中医が生んだ名方として名高い冠心Ⅱ号方(丹参・川芎・赤芍・紅花・降香)であった。その後中国では本方をもとにさまざまな中成薬が製造されてきたが,日本に導入,開発された「冠元顆粒」(イスクラ産業)もそのひとつである。
現在,丹参を含む活血化瘀剤の応用の可能性は心脳血管障害にとどまらない。糖尿病性腎症や網膜症,メタボリックシンドロームや認知症といった慢性疾患に対しても応用の可能性が見えてきている。
【特集】生薬・丹参と丹参製剤
生薬・丹参はシソ科のタンジンの根を乾燥させたもので,中薬学においては活血化瘀薬に分類され,おもに①活血祛瘀,②涼血消癰,③養血安神の働きをもつとされる。活血化瘀は従来の伝統医学ではおもに婦人科疾患・打撲・癓瘕積聚などに用いられることが多く,冠動脈疾患の治療に用いられることはあまり多くなかった。それを中西医結合によって,伝統的な血瘀証と血栓形成・血小板活性化・血管狭窄・痙攣などの冠動脈疾患の主要な病理とを結びつけて開発され,心疾患の治療に新たな道を拓いたのが,現代中医が生んだ名方として名高い冠心Ⅱ号方(丹参・川芎・赤芍・紅花・降香)であった。その後中国では本方をもとにさまざまな中成薬が製造されてきたが,日本に導入,開発された「冠元顆粒」(イスクラ産業)もそのひとつである。
現在,丹参を含む活血化瘀剤の応用の可能性は心脳血管障害にとどまらない。糖尿病性腎症や網膜症,メタボリックシンドロームや認知症といった慢性疾患に対しても応用の可能性が見えてきている。
◆本号の主な内容
【特集/生薬・丹参と丹参製剤】
■[新・方剤学]“散”の治法:治風剤(加島雅之)
■[症例カンファレンス]津波に流される夢(田中耕一郎ほか)
■[インタビュー]伝統を継ぐ旧宿場町の薬局で日本漢方と中医学で漢方相談(竹内崇浩・竹内聡・竹内美香穂)
■[乾くんの教えて!四診]問診 意義と原則(石井尊子)
■[TCMA研修]阻滞を元に戻せ! さすれば自然治癒力が発動し始める!(鎌田剛)
■[杏林春秋]十二経見証(鈴木達也)