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臨床家のための中医腫瘍学
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臨床家のための中医腫瘍学

商品コードISBN 978-4-904224-41-0

編著者:鄒大同
B5判 並製 320頁
2016年 6月11日(第1版)発行

通常購入

定価:5,280(本体4,800円+税)
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西洋医学のがん治療を補完し,長期生存も期待できる

■本書の紹介■
現代中国の病院では,がんに対して西洋医学的な標準治療をベースに,中医学を日常的に応用して,大きな成果をあげています。日本では「がん患者に漢方の補剤」という方法は一般的になりつつありますが,それだけでは,とても十分とはいえません。本書は,がんの中医治療について網羅的・体系的にまとめてあり,他に類をみない実践的な情報が満載されています。

【本書の内容】
中医学の弁証論治は,いうまでもなく,がん治療に対しても応用可能です。しかし,がん特有の進行性・難治性に対しては,弁証論治だけではなく,弁病論治・西洋医学的治療も駆使して,あらゆる方向から治療することが必要です。本書では,「総論」で中医学によるがん治療の基本的な考え方を示し,「各論」で26種類の個別のがんに対する治療法を詳しく述べています。それぞれのがんの病因病機を明らかにし,生薬・方剤・中成薬・鍼灸・薬膳・養生を用いた具体的な方法を提示します。さらに,現役の名老中医の症例で中医治療の効果を実感することができます。中医治療は,抗がん剤や放射線治療の副作用を抑え,術後の回復を早めてQOLを改善するだけではなく,長期生存に導くことも可能であることがわかります。

【本書の特色】
◇実力ある中国人中医師が,豊富な臨床経験と多数の文献をもとに編纂。
◇がんを切り口に,この1冊で中医学の概要が把握でき,入門者にも最適。
◇多数の図表を用いて,診断から治療までの道筋をわかりやすく提示。
◇症状・所見から証を導き出し,一人一人に合う治療法が簡単に選択できる。
◇漢方薬(生薬・方剤・中成薬・外用薬)の具体的な応用法を詳述。
◇現役の名老中医の症例を多数掲載。
◇医師・薬剤師・鍼灸師・栄養士・看護師など,がん患者に向き合う全ての人に役立つ内容。

 
  • 著者略歴
    • 
      鄒 大同(すう・だいどう)
      医学博士
      1982年 南京中医薬大学医学部卒業
          江蘇省揚州市中医院内科 医師(医員)
      1987年 同内科 主治中医師(医長)
      1994年 同内科 副主任中医師・腫瘍内科副部長
      1996年 日本医科大学内科学講座(呼吸器・感染・腫瘍部門)に留学
      2004年 同大学院医学博士学位取得,大学院特別研究生
      2006年 日本中医薬研究会講師
      著書:『中医内科学ポイントブック』(東洋学術出版社,2012年)
      中華中医学会会員
      中華中西医結合学会会員
      世界中医薬学会聯合会腫瘤経方研究会 常務理事
      日本未病システム学会会員
      
      
  • 目次
    • 
      はじめに
      凡例
      
      
      第1部 総論
      
       [1]中医腫瘍学の歴史
        1.中医腫瘍学の歴史
        2.中医腫瘍学における病名
        3.中医腫瘍学の現状
      
       [2]がんの病因病機
        1.病因
        2.病機
      
       [3]がんの中医学的診断
        1.中医学的診断の概要
        2.望診
        3.聞診
        4.問診
        5.切診
        6.がんの弁証
      
       [4]がんの中医学治療の原則
        1.弁証論治
        2.弁病論治
        3.治療方法
      
       [5]症状別の中医学治療
        1.腫瘤
        2.発熱
        3.疼痛
        4.出血
        5.胸水
        6.腹水
        7.黄疸
        8.不眠
        9.食欲不振
        10.抑うつ
      
       [6]西洋医学的治療の副作用対策
        1.放射線治療の副作用
         放射線皮膚障害/放射線食道炎/放射線肺障害
        2.抗がん剤の副作用
         口内炎/吐き気・嘔吐/骨髄抑制/下痢/肝障害
        3.分子標的薬の副作用
         皮疹/下痢/間質性肺炎/発熱・寒気/吐き気・嘔吐
        4.内分泌療法の副作用
         更年期症候群/骨粗鬆症
      
       [7]漢方薬の応用
        1.扶正薬
         霊芝/冬虫夏草/朝鮮人参/白樺茸(チャーガ)/薏苡仁/白朮/茯苓/雲芝/四君子湯/八珍湯/生脈散/補中益気丸/参苓白朮散/当帰/阿膠/四物湯/帰脾湯/十全大補湯/当帰養血膏/地黄/女貞子/沙参麦冬湯/知柏地黄丸/六味地黄丸/二至丸/鹿茸/肉桂/八味地黄丸(金匱腎気丸)/陽和湯/理中丸/参茸補血丸
        2.祛邪薬
         木香/縮砂/逍遙散/柴胡疏肝散/香砂六君子湯/丹参/三七/水蛭/全蝎/膈下逐瘀湯/少腹逐瘀湯/通竅逐瘀湯/桃紅四物湯/失笑散/大黄䗪虫丸/血府逐瘀丸/雲南白薬/白花蛇舌草/半辺蓮/半枝蓮/竜葵/竜胆草/牛黄/馬歯莧/黄連解毒湯/清瘟敗毒飲/清営湯/犀角地黄湯/五味消毒飲/竜胆瀉肝湯/牛黄清心丸/片仔癀/犀黄丸/当帰竜薈丸/半夏/天南星/猪苓/二陳湯/導痰湯/海藻玉壺湯/八正散/茵蔯五苓散/温胆湯/半夏厚朴湯/蟾酥/露蜂房/馬銭子/附子/青黛雄黄散/六神丸/小金丹/平消片/紫金錠
      
       [8]経方の応用
        1.六経弁証による経方の応用
         麻杏甘石湯/小青竜湯/半夏瀉心湯/五苓散/大陥胸湯/桃核承気湯/白虎湯/大承気湯/茵蔯蒿湯/小柴胡湯/大柴胡湯/理中丸/桂枝加芍薬湯/四逆散/四逆湯/真武湯/烏梅丸/当帰四逆湯/呉茱萸湯/白頭翁湯
        2.雑病弁証による経方の応用
         鼈甲煎丸/桂枝茯苓丸/葶藶大棗瀉肺湯/射干麻黄湯/桂枝芍薬知母湯/烏頭湯/黄耆桂枝五物湯/小建中湯/
         八味地黄丸
      
       [9]「癌毒」の対策
        1.癌毒の概念
        2.癌毒の病因病機
        3.癌毒の陰陽属性
        4.癌毒の治療
        5.癌毒治療に関する薬理研究
      
       [10]食養生
        1.中医学からみた食物の作用と性質
        2.がんの予防と食事
        3.体質改善のための食事
        4.がんによく使われる食材
        5.がんと「忌口」
        6.西洋医学的治療と食養生
      
       [11]未病と予防
        1.未病とがん
        2.がんの予防と中医学の養生
      
      
      第2部 各論
      
       [1]肺がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる肺がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(周岱翰)
      
       [2]悪性胸膜中皮腫
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる悪性胸膜中皮腫
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(花宝金)
      
       [3]乳がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる乳がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(王沛)
      
       [4]食道がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる食道がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(侯偉)
      
       [5]胃がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる胃がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(花宝金)
      
       [6]肝細胞がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる肝細胞がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(周岱翰)
      
       [7]胆道系がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる胆道系がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(李秀栄)
      
       [8]膵臓がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる膵臓がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(劉嘉湘)
      
       [9]大腸がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる大腸がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(朴炳奎)
      
       [10]腎細胞がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる腎細胞がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(王晞星)
      
       [11]膀胱がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる膀胱がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(林麗珠)
      
       [12]前立腺がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる前立腺がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(賈英杰)
      
       [13]精巣腫瘍
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる精巣腫瘍
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(宋道儒)
      
       [14]卵巣がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる卵巣がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(謝明遠)
      
       [15]子宮頸がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる子宮頸がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(連花敏)
      
       [16]子宮体がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる子宮体がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生 
        ●老中医の医案(劉偉勝)
      
       [17]悪性リンパ腫
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる悪性リンパ腫
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(陳鋭深)
      
       [18]急性白血病
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる急性白血病
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(孫一民)
      
       [19]慢性骨髄性白血病
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる慢性骨髄性白血病
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(徐瑞栄)
      
        [20]多発性骨髄腫
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる多発性骨髄腫
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(周永明)
      
       [21]脳腫瘍
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる脳腫瘍
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(楊炳奎)
      
       [22]鼻咽頭がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる鼻咽頭がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(裴正学)
      
       [23]甲状腺がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる甲状腺がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(周仲瑛)
      
       [24]皮膚がん
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる皮膚がん
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸治療
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(賈英傑)
      
       [25]悪性黒色腫
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる悪性黒色腫
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸治療
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(謝遠明)
      
       [26]骨肉腫
        1.西洋医学的な知識
        2.古典にみる骨肉腫
        3.弁証論治
        4.中成薬の応用
        5.経験方と生薬
        6.外用法
        7.鍼灸療法
        8.薬膳
        9.治療中の養生
        ●老中医の医案(孫桂芝)
      
      参考文献
      附1.弁病による生薬の選択
      附2.「同病異治」の主な方剤
      附3.「異病同治」の主な方剤
      用語索引/方剤索引/人名索引